網戸の隙間から虫が入るときは、窓と網戸の位置、モヘア、戸車、網の固定部分の順に確認しましょう。網が破れていなくても、窓の開け方や網戸の傾きによって、虫が通れる隙間ができることがあります。
張り替えを頼む前に見ておきたいのは、「窓を開ける幅によって隙間が変わるか」です。半開きにしたときだけ隙間ができるなら、まず窓と網戸の位置を確認します。位置を直しても同じ場所が開いているなら、部品の傷みや建て付けを調べます。
この記事では、主に左右へスライドする引違い窓の網戸を扱います。ロール網戸やプリーツ網戸、四枚建ての窓などは構造が異なるため、その製品の取扱説明書を優先してください。
網戸の隙間は「どこに・いつできるか」で見分ける
網戸を外す前に、室内から見える範囲で確認します。窓を閉めた状態と、普段換気している状態を比べると、開け方による隙間か、部品や枠に残っている隙間かを整理しやすくなります。
| 見つかった状態 | 先に確認する箇所 | 次にすること |
|---|---|---|
| 窓を半開きにしたとき、ガラス戸と網戸の間が開く | 窓と網戸の左右の位置 | 取扱説明書で指定された位置・開け方に戻す |
| ブラシ状の部材が抜けている、相手の枠に届いていない | モヘアなどの隙間をふさぐ部材 | 部品の適合と交換方法を調べる |
| 網戸を閉めても、縦の隙間が上と下で違う | レールの汚れ、戸車、網戸の傾き | 掃除後に状態を確認し、説明書の調整方法を調べる |
| 網の端が枠から抜けている | 網と押さえゴム | 網の傷みと固定状態を確認する |
| 枠が曲がっている、調整しても隙間が残る | 網戸の枠やサッシの変形 | サッシ販売店や施工会社へ点検を依頼する |
表は点検の目安です。同じ隙間に複数の原因が重なることもあります。窓から身を乗り出したり、網戸に体重をかけたりせず、手が届かない場所は無理に調べないでください。
最初に確認するのは、網戸の左右の位置と窓の開け方
一般的な二枚の引違い窓では、室内側のガラス戸に合わせる
一般的な二枚の引違い窓では、室内側のガラス戸がある側に網戸を置き、そのガラス戸を開けて使います。多くは室内から見て右側ですが、製品によって違いがあります。
取扱説明書に出てくる「内障子」とは、二枚のうち室内寄りのレールを動くガラス戸のことです。「網戸は必ず右」とだけ覚えるより、自宅の窓でどちらが内障子に当たるかを確認すると間違いを防げます。
LIXILの取扱説明書でも、網戸は内障子側で使うことを基本としています。詳しくは、LIXILの取扱説明書「網戸の虫の侵入について」を参照してください。
反対側の窓を半開きにすると、重なりがずれる場合がある
網戸は、窓を開けた部分を網で覆っていればよい、というわけではありません。ガラス戸と網戸が重なる部分でも、虫の通り道をふさぐ必要があります。
窓の構造によっては、外側のガラス戸を半開きにすると、この重なりがずれて隙間ができます。網戸を端まで閉めていても虫が入る場合は、普段の換気状態でガラス戸との間を見てください。
開け方を直すと隙間が消える場合、その隙間への対処は網の張り替えではなく、位置の修正です。全開時の使い方や四枚建ての窓については、二枚建てと同じ扱いにせず、製品ごとの説明を確認しましょう。
位置を直しても隙間が残るなら、モヘアを確認する
モヘアは、網戸とガラス戸・サッシの間をふさぐブラシ状の部材です。網そのものとは別の部品なので、網を新品にしても、モヘアの傷みによる隙間は残ります。
室内から見える範囲で、次の点を確認してください。
- 毛が抜けて、途中で途切れていないか
- 毛が寝たり擦り減ったりして、相手の枠に届かなくなっていないか
- モヘア自体が外れたり、ずれたりしていないか
毛が枠に届かないときは、モヘアの劣化だけでなく、網戸の傾きも確認します。片側だけ隙間が広い場合、長いモヘアを付け足しても原因が残ることがあります。
交換部品は、毛の長さだけでなく、取り付け部分の幅や形状も合わせる必要があります。メーカー名や品番を調べ、適合するものを選びましょう。厚い隙間テープを重ねると、網戸の動きや閉まり方に支障が出る場合があります。
上下で隙間の幅が違うなら、レールと戸車を見る
ねじを回す前に、レールのごみを取り除く
戸車は、網戸の下部にある、レール上を転がる部品です。網戸が傾いていると、縦枠との間に上から下へ広がるような隙間ができることがあります。
まずは手の届く範囲でレールの砂やごみを取り除きます。その後、無理なく動かせる状態であれば、網戸をゆっくり閉め、引っ掛かりと隙間の幅を確認してください。
掃除をしても網戸が斜めに見える、同じ位置で引っ掛かる、枠に当たる場合は、戸車や建て付けの点検が必要です。
戸車の調整は、外れ止めの確認まで行う
戸車の高さを調整できる製品では、指定された調整ねじを使います。ただし、ねじの位置や調整方法は製品ごとに異なります。近くにある固定ねじを、調整ねじと思って緩めないようにしてください。
戸車だけを調整して終わりにせず、外れ止めの扱いまで取扱説明書で確認することが大切です。LIXILの案内では、戸車調整に伴う外れ止めの調整と、作業後の固定が示されています。
作業する場合は、その製品の手順に従い、手回しドライバーを使います。ねじが固くて回らない、部品が割れている、説明書どおりに調整しても隙間が残る場合は、力を加えずに販売店や施工会社へ相談してください。
参考:LIXIL「引違い窓(サッシ)の網戸に隙間ができないよう調整する方法」
網の張り替えが必要かどうかは、端の固定まで見て判断する
網は中央だけでなく、枠に沿った四辺も確認します。小さな破れのほか、押さえゴムから網の端が抜けて、虫の通り道になっていることがあります。
押さえゴムは、網を枠の溝に固定する部材です。網がずれている場合は、ゴムの浮きや傷みも調べます。網だけを押し戻しても固定できないときは、適合する網やゴムへの交換を検討してください。
一方、たるみがあるというだけでは、そこが侵入口とは判断できません。穴があるか、端が抜けているかを合わせて見ます。ロール網戸などでは、構造上しわやたるみが生じる製品もあります。
網の交換で直せるのは、主に網の破れや固定部分の不具合です。戸車の破損、モヘアの劣化、枠の変形は、それぞれ別の対応が必要になります。
LIXILは、押さえゴムで固定する構造など、自分で網を交換できるタイプを案内しています。すべての網戸が同じ方法で張り替えられるわけではありません。網戸の張り替えに関するLIXILの案内で、対応する構造を確認できます。
自分で直しにくいときは、隙間の写真を添えて相談する
枠が曲がっている、部品が破損している、調整しても隙間が消えない場合は、網の張り替えだけで済むかを含めて点検してもらいましょう。相談先は、窓を取り付けた施工会社、サッシ販売店、メーカーの修理窓口などです。賃貸住宅では、部品交換やテープの貼り付け前に管理会社へ相談してください。
問い合わせ時には、次の情報があると状況を伝えやすくなります。
- 室内から撮った、窓と網戸の全体写真
- 隙間が見える部分の写真
- 窓をどちら側へ、どのくらい開けたときに隙間ができるか
- メーカー名や品番が読めるラベルの写真
- 網を張り替えた直後、掃除で外したあとなど、気付き始めた時期
写真のために網戸を外す必要はありません。特に高い階では、落下のおそれがある取り外しや外側からの撮影を無理に行わないでください。
網戸の隙間についてよくある質問
網目を細かくすれば、虫は入らなくなりますか?
小さな虫の通過を抑える助けになりますが、枠まわりに隙間が残っていれば、そこから侵入する可能性があります。先に位置と隙間を確認し、そのうえで網の種類を検討しましょう。YKK APも、網戸は開閉する構造のため完全な密封状態にはならないと説明しています。
参考:YKK AP「網戸を閉めているのに虫が入ってくるのですが、どうすればよいですか。」
市販の隙間テープでふさいでもよいですか?
使えるかどうかは、隙間の場所と窓の構造によります。モヘアの欠損や戸車の不具合がある場合は、先にその部品の修理方法を確認してください。テープを使う場合も、排水穴、可動部分、外れ止めの働きを妨げないことが必要です。用途が分からない穴や隙間を、一律にふさがないようにしましょう。
隙間が見つからないのに虫が入る場合は?
網目を通れる小さな虫や、窓以外からの侵入も考えられます。虫を窓の近くで見つけたことだけでは、網戸から入ったとは断定できません。玄関や換気設備の周辺など、家全体の確認については、夏前にやるべき害虫対策|蚊・コバエ・ゴキブリを増やさない住まいの整え方も参考にしてください。
張り替えを頼む前に、開け方と隙間の場所を確認しよう
網戸の網が無傷なら、まず普段の換気状態で、ガラス戸と網戸の間を確認します。開け方で隙間が変わる場合は位置を見直し、同じ場所に残る場合はモヘア、戸車、網の固定部分へと確認を進めましょう。
修理を相談するときも、「虫が入る」だけでなく、「半開きのときだけ隙間ができる」「閉めても下側が開いている」と伝えると、調べる箇所を絞りやすくなります。




