洗濯機が脱水できない原因は?衣類・傾き・排水から確認する順番

洗濯機が脱水できないときは、衣類の偏りや量、本体の傾き、排水の状態、ふた・ドアの閉まり方を確認します。ただし、槽内に水がたまったままなら、衣類を入れ直す前に排水側の確認が必要です。

「回り始めたと思ったら止まる」「脱水のはずなのに、また水が入る」という動きも、すぐに故障とは限りません。衣類の偏りを直すため、洗濯機が給水やすすぎへ戻っている場合があります。

一方、本体が移動するほどの振動、水漏れ、焦げたにおい、普段と違う激しい異音がある場合は、確認のための再運転を続けないでください。安全に操作できる範囲で使用を止め、メーカーや購入店へ相談します。

まずは「どこで止まったか」と「水が残っているか」を見て、自宅で確認できるところから切り分けましょう。

最初に確認するのは「衣類の濡れ方」より「残水と止まり方」

脱水前の衣類が濡れていること自体は、異常とは限りません。確認したいのは、衣類が水を含んでいるだけなのか、槽の中にも水がたまっているのかという違いです。

表示を確認できる状況なら、電源を切ったり操作をやり直したりする前に、エラー番号を写真に残します。ただし、異臭や水漏れなどがあるときは、撮影より使用停止を優先してください。

今の状態先に確認すること対応の考え方
回ろうとして止まり、給水・すすぎへ戻る衣類の偏り、大物の絡まり、ネットへの詰め込み偏りを直す補正運転の可能性。停止・ロック解除後に衣類を確認する
脱水に入ると大きく揺れる衣類の偏り、本体の傾き、脚のがたつき激しく揺れる場合は使用を止める。動いている本体を手で押さえない
槽内に水がたまったまま止まる排水に関する表示、外から見える排水ホース排水の確認を優先する。ドアやフィルターを無理に開けない
水が抜けたように見えるのに回らないふた・ドア、設定したコース、エラー表示機種別の案内を確認し、対処後も止まるなら点検を相談する
運転は終わったが、いつもより水分が多い脱水時間、衣類の種類、排水の状態「脱水に入れない」のか「脱水が弱い」のかを分けて確認する

参考:パナソニック「タテ型洗濯機の脱水中にすすぎへ戻る・U13」、日立「脱水が弱い原因」

水面が見えないからといって、排水が完全に終わったとは限りません。衣類を直しても同じ止まり方を繰り返す場合は、設置状態や排水も確認します。

1.衣類の偏りと量を確認する|大きな塊をつくらない

シーツや洗濯ネットの中に、重さが集まっていないか

衣類の偏りは、見た目の枚数だけでは分かりません。シーツがほかの衣類を包み込んでいたり、大きな洗濯ネットが水を含んだ衣類で膨らんでいたりすると、一か所に重さが集まります。

衣類に触れるのは、機種に指定された手順で運転を止め、回転が完全に止まり、ロックが解除されてからです。ドラム式で水が残っている場合は、先に取扱説明書の残水処理を確認してください。

取り出せる状態になったら、絡まりをほどき、重い物が一か所に固まらないよう入れ直します。縦型とドラム式では入れ方の案内が異なるため、使用している機種の説明に合わせましょう。

ネットは、数を増やせばよいわけでもありません。使える大きさや入れる衣類、ネットを使う量を確認し、衣類側の洗濯表示も守ってください。

参考:日立「洗濯物の片寄りを防ぐ方法」

詰め込みすぎだけでなく、少なすぎる洗濯物にも注意する

衣類を減らせば、必ず脱水できるとは限りません。ジーンズなどの重い衣類を一枚だけ洗う場合も、重さが偏りやすくなります。

多すぎる場合は分け洗いにし、少なすぎる場合は、その機種で案内されている衣類の組み合わせや量へ調整します。原因を確かめずに、大量のタオルを追加するのは避けましょう。

毛布や厚手の寝具を洗う場合は、標準コースの容量だけで判断しないことも大切です。その素材を洗えるか、どのコースを使うか、専用の付属品が必要かを確認してください。

参考:パナソニック「ドラム式洗濯機で脱水できないときの確認事項」、日立「洗濯物の片寄りを防ぐ方法」

防水性のシートや衣類は、入れ直して再運転しない

防水性の衣類やシート、水を通しにくい敷物などは、洗濯機での洗濯・脱水が禁止されている場合があります。禁止されている物を入れていたなら、偏りを直して回し続けるのではなく、使用を止めてください。

NITEは、防水性の物や容量を超える衣類の洗濯によって、本体が大きく振動し、破損や周囲への被害につながる危険を注意喚起しています。

「水洗いできる物」と「その洗濯機で脱水できる物」は、同じとは限りません。衣類の表示と洗濯機の取扱説明書の両方を確認しましょう。

出典:NITE「洗濯機『脱水時に転倒』」

2.本体の傾きとがたつきを確認する|動かした後なら設置状態も見る

脚が安定しているか、水準器の表示はどうか

洗濯機が傾いていると、衣類の偏りが起こりやすくなります。運転を止めた状態で、脚がきちんと接地しているか、設置面が不安定になっていないかを、見える範囲で確認します。

本体に水準器が付いている機種は、据付説明書に従って水平を確認してください。天板を見て「だいたい真っすぐ」と判断するだけでは、細かな傾きは分かりにくくなります。

最近、本体を動かした、防振用品を交換した、床まわりの工事をした場合は、いつから症状が出たかも記録しておきましょう。

重い洗濯機を一人で持ち上げたり、手近な布や板を脚の下へ挟んだりするのは避けます。脚の調整に安全に手が届かない場合は、設置業者へ依頼してください。

参考:日立「脱水されない・C04が表示される場合の確認事項」

引っ越し直後のドラム式は、輸送用ボルトも確認対象

ドラム式洗濯機には、運搬中に内部を固定する輸送用ボルトを使う機種があります。日立は、ボルトを外さないと正常に運転できないと案内しています。

購入・引っ越し直後から脱水時に激しく揺れる場合は、運転を止め、設置業者へ輸送用ボルトの取り外しを含めた据え付け確認を依頼しましょう。

背面にあるねじを、見当をつけて外してはいけません。ボルトの位置や本数は機種によって異なります。

出典:日立「輸送用ボルトの外しかた・取り付けかた」

3.水が残っているなら排水側へ|フィルターを開ける前に止まる

排水ホースは、外から見える範囲を確認する

洗濯機は、排水が終わってから脱水の回転へ進む機種があります。槽内に水がたまったまま止まっているなら、脱水ボタンを繰り返し押すより、排水に関する表示と説明書を確認してください。

排水ホースに折れやつぶれがないか、最近置いた物で押されていないかを見ます。本体を動かさないと確認できない場所は、無理にのぞき込む必要はありません。

ホースを引っ張って抜く、配管を外して排水を試すといった作業は避けてください。すでに床へ水が出ている場合は、濡れた手や濡れた場所から電源プラグを操作せず、安全に対処できるかを先に判断します。

参考:シャープ「脱水運転の設定方法」、日立「脱水が弱い原因」

槽内に水があるまま、排水側のフィルターを緩めない

水が残った状態でフィルターを外すと、内部の水があふれ出るおそれがあります。タオルを敷けば必ず対処できる、というものではありません。

先に、その機種の残水処理とフィルターの外し方を確認します。指定された方法でも排水できない場合や、手順が分からない場合は、フィルターを開けずにメーカーへ相談してください。

また、槽内の糸くずを集めるフィルターと、排水経路にあるフィルターは、役割が同じとは限りません。メーカーによって部品名も異なるため、「糸くずフィルター」と書いてある場所を一律に外すのではなく、型番に合う説明書で確かめます。

参考:シャープ「ドラム式洗濯乾燥機の糸くずフィルターのお手入れ」

排水口・ホース・フィルターの確認箇所は、洗濯機の排水エラーが出る原因と確認方法にまとめています。水が残る、排水が遅い、排水口からあふれる場合は、こちらも確認してください。

4.排水後も回らないなら、ふた・ドアと機種別の表示を確認する

水が抜けているように見えても脱水へ進まない場合は、ふたやドアが正常に閉じているか、衣類を挟んでいないか、表示が出ていないかを確認します。

ロックが解除されない場合は、力をかけて開けないでください。ドラム式では、内部の回転や水位、高温などを理由に、開かないよう制御している場合があります。

ドアを押さえつけたまま運転する、安全装置を道具で押して回すといった操作はしません。説明書どおりに操作しても閉まらない・開かない場合は、点検を依頼します。

参考:日立「ドアがロックされて開かない場合」

「U13」「C04」は、メーカーと型番を合わせて調べる

パナソニックの案内では「U13」、日立の案内では「C04」が、衣類の偏りなどで脱水できない場合の表示として紹介されています。ただし、エラー番号は全メーカー共通ではありません。

検索するときは、番号だけでなく「メーカー名・型番・表示された番号」を組み合わせます。同じメーカーでも、説明の対象機種に自宅の製品が含まれているかを確かめてください。

表示がないまま回らない場合も、それだけで正常とは判断できません。症状だけからモーターやセンサーの故障と決めつけず、運転状況を記録して修理窓口へ伝えましょう。

参考:パナソニックのU13に関する案内、日立のC04に関する案内

再運転を続けるより、相談した方がよいケース

衣類をほぐすなど、説明書にある対処で正常に運転できる場合は、自宅で解消できることがあります。一方、同じ状態を繰り返すなら、やり直す回数を増やしても原因の確認にはなりません。

状況相談先伝えておきたいこと
衣類を調整しても止まる、異音・異臭・水漏れがあるメーカー、購入店の修理窓口型番、表示、止まる工程、残水や異常の有無
購入・引っ越し・移動の直後から起きる購入店、設置業者設置後いつから起きたか、振動、脚やホースの状態
排水口からあふれる、建物側の排水に問題がありそう賃貸は管理会社、持ち家は排水設備の相談窓口水が出た場所、ほかの排水設備にも異常があるか

賃貸住宅の備え付け洗濯機は、修理を直接手配する前に管理会社へ連絡しましょう。原因の場所が分からない場合も、無理に本体や配管を分解する必要はありません。

修理相談には「止まる直前の様子」を添える

「脱水できない」だけでなく、回り始めてから止まるのか、水が残っているのかが分かると、相談先へ状況を伝えやすくなります。

洗濯機の不調を伝えるメモ

メーカー・型番:____
エラー番号・点滅表示:____
止まった工程:すすぎ前/すすぎ後の最後の脱水/脱水のみ
直前の動き:回って止まる/給水へ戻る/回らない
衣類の種類・おおよその量:____
槽内の水・水漏れ・異音・におい:____
最近の設置変更と、すでに試した対処:____

写真は、型番ラベル、エラー表示、安全に見える範囲の設置状態があれば役立ちます。動画を撮るために、激しい振動や水漏れを再現させないでください。

洗濯機の脱水でよくある質問

脱水中にすすぎへ戻るのは故障ですか?

故障とは限りません。衣類の偏りを直すため、給水やすすぎを行う補正運転の場合があります。

ただし、同じ動きを繰り返して終わらない場合は、衣類の入れ方だけでなく、本体の傾きや排水も確認します。激しく揺れるときは、補正運転だから大丈夫と考えず使用を止めてください。

止まった後は「脱水だけ」でやり直してもよいですか?

機種の説明書で案内されている対処を済ませ、異常な振動や水漏れなどがない場合に、指定された手順で再開します。

最後の脱水で止まった場合と、すすぎに入る前の脱水で止まった場合では、再開する工程が違うことがあります。すすぎが終わっていないのに脱水だけで終了させないよう、どこで止まったかを確認してください。

参考:パナソニック「脱水中に停止した場合の再開方法」

排水エラーが出ていなければ、排水は正常ですか?

表示だけでは判断できません。排水が不十分で槽の間に水が残り、脱水時のバランスを崩す場合もあります。残水や排水の遅さなど、実際の状態と合わせて確認してください。

運転は終了したのに、衣類が濡れているのは異常ですか?

脱水は乾燥とは違うため、終了後も衣類に水分は残ります。ただし、同じような衣類・コースなのに普段より水分が多い場合は、脱水時間、衣類の種類、排水状態を確認しましょう。

ドラム式では、小物がドアパッキンに挟まり、十分に脱水できない場合もあります。脱水時間を延ばす場合も、衣類の表示と機種の説明書に従ってください。

参考:日立「脱水が弱い原因」

ドアが開かないとき、洗濯物だけ先に取り出せますか?

無理に開けて取り出してはいけません。回転中、水位が高い、内部が熱いなどの理由でロックされている場合があります。

表示を確認し、機種別の解除・残水処理の手順に従います。排水できない、指定の操作でも開かない場合は、そのままメーカーへ相談してください。

まとめ|衣類を直す前に、残水と止まり方を確認する

洗濯機が脱水できないときは、まず使用を続けてよい状態かを確かめ、残水と止まり方を見ます。水が抜けていて給水・すすぎへ戻るなら衣類の偏り、水が残っているなら排水側の確認が先です。

衣類の量や入れ方を直しても繰り返す場合は、本体の傾き、ふた・ドア、機種別の表示まで確認します。自分で触るのは、説明書にある操作と、安全に手が届く範囲にとどめてください。

再開ボタンを押す前に、「どの工程で止まったか」「水が残っているか」「何を洗っていたか」を一度メモしておきましょう。改善しない場合も、その記録を添えれば、メーカーや設置業者へ状況を伝えやすくなります。

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参照した一次情報

LifeXrees編集部

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