エアコンの暖房はいつから使う?室温・外気温と電気代の考え方

エアコンの暖房は、朝晩の室温が下がり、普段の服装では寒く感じるようになったら使い始めて構いません。「まだ10月だから」「近所では使っていないから」と、月や周囲の様子に合わせて我慢する必要はありません。

迷ったときは、天気予報の気温より、家族が実際に過ごす場所の室温を確認しましょう。暖房時の室温は20℃が省エネの目安とされていますが、これは運転を始める一律の基準でも、リモコンの設定温度を必ず20℃にするという意味でもありません。

秋の使い始めなら、朝だけ、夕食後だけという使い方もできます。まず必要な時間に動かし、暖まり方と電気の使用量を見ながら、自宅に合う運転へ調整していきましょう。

暖房は何度から?「室温20℃」の意味を先に確認する

20℃は暖房中の室温の目安で、使い始めの境界ではない

環境省のウォームビズでは、暖房時の室温20℃を目安に、快適に過ごす工夫が紹介されています。

ここでいう室温は、部屋の空気の温度です。リモコンを20℃に設定しても、窓際や足元まで同じ温度になるとは限りません。設定温度を守ることより、過ごしている場所が寒すぎないかを確かめることが先です。

例えば、室温20℃前後でも座っていると足元が冷えるなら、風向や窓まわりを見直し、必要に応じて暖房を使います。一方、暖房なしで暖かく過ごせている部屋を、月が変わったという理由だけで暖める必要はありません。

出典:環境省「ウォームビズとは」

部屋の様子使い始めの考え方確認したいこと
朝晩だけ寒く、昼は暖房なしで過ごせる寒い時間帯から使い始める起床時・夕食後の室温と、暖まるまでの時間
室温20℃前後でも、足元や窓際が寒い温度だけで我慢せず、暖房や気流を調整する普段座る場所と足元の温度、窓からの冷え
室温が18℃近く、またはそれ以下まで下がる暖房などで冷えを解消し、低い室温のまま過ごさない家族の年齢・体調、寝室など別の部屋の状態
暖房を使わなくても十分暖かい日付に合わせて運転する必要はない日没後や翌朝に冷え込まないか

表は家庭での判断例です。どの家庭でも同じ温度で運転を始める、という基準ではありません。

18℃になるまで待つ必要もない

WHOの「住宅と健康に関するガイドライン」(2018年)は、温帯・寒冷な気候の国における寒い季節の健康保護という観点から、室温18℃を示しています。また、高齢者、子ども、慢性疾患のある人などには、より高い室温が必要な場合があるとしています。

この18℃は、全員が快適に過ごせる温度を保証するものではありません。省エネの目安である20℃とも目的が違います。

乳幼児や高齢者がいる家庭では、本人が寒いと言うまで待つのではなく、温度と様子を確認してください。暖房を使うか迷う場面で、節電のために低い室温を目指す必要はありません。

出典:WHO「WHO Housing and Health Guidelines:低い室内温度と断熱(英語・NCBI掲載)」

外気温は何℃を見ればよい?翌朝の冷えを予測する材料にする

外気温だけで、暖房を入れるかどうかを決めるのは難しいものです。同じ地域でも、窓の大きさ、日当たり、断熱性などによって、部屋の冷え方は変わります。

例えば、日中のリビングは暖かくても、朝の寝室は冷えている家があります。天気予報の最高気温だけを見て「今日は暖房はいらない」と決めず、実際に部屋を使う時間の室温を確かめましょう。

翌朝の最低気温を見ておくと、タイマーを使うか、朝に暖房を入れる準備をしておくかを考えやすくなります。ただし、「外が15℃なら必ず運転」といった共通の境界は設けず、自宅の冷え方と組み合わせて使う情報です。

外が寒い日は、暖まるまでの時間も変わる

エアコン暖房は、屋外の空気から熱を集め、室内へ運んで暖める仕組みです。外気温や室内との温度差によって、暖まり方や消費電力も変わります。

そのため、秋に短時間で暖まったからといって、真冬も同じ時間で暖まるとは限りません。寒さが強まったら、設定温度を大きく上げる前に、運転を始める時間や室内の温度ムラも見直してください。

参考:ダイキン「エアコンのしくみと電気代の関係」、パナソニック「エアコン暖房の電気代と計算方法」

久しぶりに暖房を使う前に、フィルターと動作を確認する

夏に使えていても、暖房の動作は別に確かめる

本格的に寒くなる前に、暖房へ切り替えて温風が出るかを確認しておきます。使う必要が出てから不具合に気づくより、余裕を持って点検や修理を相談できます。

ダイキンは、暖房の試運転として、暖房モードを最高温度の28〜30℃に設定し、10分程度運転する方法を案内しています。温度や手順は機種によって異なるため、使用する製品の案内に従ってください。

試運転で指定される高い設定温度は、動作確認のためのものです。普段もその設定で使い続ける、という意味ではありません。確認後は日常の設定へ戻しましょう。

出典:ダイキン「冬前に暖房の試運転をするやり方」

自宅での手入れは、説明書で認められた範囲まで

フィルターにホコリがたまっていたら、運転を停止し、説明書にある安全手順で取り外して掃除します。水洗いできる部品を洗った場合は、指定どおり十分に乾かしてから戻してください。

室外機も、荷物や落ち葉などが吸込口・吹出口をふさいでいないかを確認します。高所や手の届かない場所は、無理に作業しないでください。

内部に洗浄剤を吹き付ける作業は、自己流で行わないこと。NITEは、洗浄液が電気部品に付着し、発火した事故を紹介しています。

カビのようなにおいが残る場合の掃除範囲は、エアコンのカビ臭いにおいは掃除で取れる?で確認できます。焦げたにおい、異常な音、エラー表示がある場合は使用を止め、メーカーや購入店へ相談してください。

参考:ダイキン「暖房シーズン前の試運転と手入れ」、NITE「エアコン内部に洗浄液がかかり発火した事故」

秋の使い始めは、朝晩の必要な時間から調整する

まず暖房モードと風量を確認する

冷房を最後に使ったときの設定が残っていないか、リモコンを確認します。暖房を使いたいときは、運転モードが「暖房」になっているかを見ましょう。

風量は、まず「自動」を試します。暖まる前から弱風に固定すると、部屋へ熱を送り出す量が少なくなり、かえって効率が落ちる場合があります。

なお、風の強さを調整する「風量自動」と、冷房・暖房などを機器が選ぶ「自動運転」は別です。表示や機能の呼び方は機種によって異なるため、リモコンの説明を確認してください。

参考:ダイキン「暖房時の風量自動と効率的な運転」

風向は下向きを基本に、体へ直接当て続けない

暖かい空気は上へたまりやすいため、暖房時は説明書に沿って下向きの風を使い、足元へ暖気を届けます。自動気流の機能がある機種は、その機能も確認しましょう。

本体の近くばかり暖かい場合は、家具が風を遮っていないかを見ます。サーキュレーターなどで空気を循環させる場合も、風が直接体へ当たり、寒く感じない向きに調整してください。

「リモコンでは22℃なのに寒い」と感じたら、普段座る場所と足元を測ってみましょう。部屋全体が寒いのか、温度にムラがあるのかで、見直す場所が変わります。

参考:ダイキン「冬のエアコン節電情報」

朝のタイマーは、実際に暖まった時間から合わせる

朝だけ寒い家庭では、起床前のタイマーを使う方法があります。最初から「何分前が正解」と決めず、使い始めの数回で、部屋が暖まるまでの時間を確かめてください。

例えば、午前7時にリビングを使いたいなら、タイマーを試した日の7時に室温を見ます。まだ寒ければ開始を早め、十分早く暖まっているなら時間を調整します。

機種によっては、指定時刻に運転を始めるものと、指定時刻に暖まるよう先に動くものがあります。タイマーの仕組みも説明書で確認しておきましょう。

朝に暖房を使ったからといって、そのまま日中も運転する必要はありません。日が差して暖かくなったら、室温と在室状況を見て調整します。

設定温度を上げる前に、窓際と足元の冷えを見直す

日が差す時間は、カーテンを開けて日差しを取り込み、夕方以降は閉めて熱が逃げにくい状態にします。ただし、カーテンや家具でエアコンの吸込口・吹出口をふさがないでください。

座って過ごす時間が長いなら、足元の保温も役立ちます。それでも寒さが続く場合は、服装だけで対処しようとせず、暖房の設定を調整しましょう。

一方、冷気を減らそうとして必要な換気まで止めたり、給気口を自己判断でふさいだりする使い方は避けます。暖房と換気は、両方を続けられるように考えてください。

参考:ダイキン「窓・カーテン・換気を含めた冬の節電」

乾燥が気になる日は、室温と一緒に湿度も確認します。暖かく感じさせようと加湿を強め続けるのではなく、窓やカーテンの濡れも見ながら調整してください。

窓だけが冷える、朝に水滴がたまる場合の見分け方は、窓の結露はなぜ起きる?室温・湿度から秋冬の原因を見分ける方法にまとめています。

暖房の電気代は、運転時間だけでなく使った電力量で見る

「こまめに切る」と「つけっぱなし」のどちらかに決めつけない

暖房は、冷えた部屋を暖めるときと、暖まった状態を保つときで電力の使い方が変わります。そのため、在室中に「暖かくなったら切る、寒くなったら入れる」を短い間隔で繰り返すと、かえって電力を使う場合があります。

ダイキンの冬の検証では、30分間隔で入り切りする条件では連続運転の方が消費電力量が少なく、長時間の外出などで停止する生活スケジュールでは、停止する時間を設けた方が少なくなる結果が示されています。

ただし、これは特定の部屋・機種・天候での実験です。「30分までなら必ずつけっぱなし」「朝だけ使うと一日中使うより高い」と、そのまま全家庭へ当てはめることはできません。

在室中の温度調節は機器に任せ、長時間使わない部屋は停止やタイマーを検討する、というように使う場面を分けましょう。家族やペットが残る場合は、電気代だけで停止を決めないでください。

出典:ダイキン「冬のエアコンつけっぱなし検証」

電気代は「消費電力量kWh×単価」で概算する

暖房で使った電力量が分かる場合、電気代の概算は次の式で求められます。

暖房の電気代の概算=使用した電力量(kWh)×1kWhあたりの単価(円)

例えば、暖房で1日に3kWh使い、計算に使う単価を仮に30円/kWhとすれば、3×30=90円です。

3kWhと30円/kWhは、計算方法を示すための仮定です。一般家庭の平均使用量や、現在の標準的な契約単価を示すものではありません。実際の請求には、契約に応じた基本料金や各種調整なども関わります。

カタログの消費電力を使って計算する場合も、その出力が一日中続くとは限りません。また、期間消費電力量は定められた条件で算出された値であり、自宅の実際の使用量そのものではありません。

カタログにある「暖房能力○kW」は、使う電気の量ではなく、暖める能力を表す数字です。電気代の計算には、消費電力や消費電力量の欄を使います。

参考:パナソニック「エアコン暖房の電気代と計算方法」「エアコンの省エネ・節電ガイド」

家庭全体の使用量と、エアコン単体の使用量を分ける

対応するエアコンアプリなどで使用量を確認できる場合は、まずその表示を参考にします。ただし、実測か推定か、表示対象の期間は機種によって異なるため、アプリの説明も確認してください。

電力会社の使用量グラフが家全体を対象としている場合は、乾燥機や給湯、調理家電などの使用も含まれます。暖房を始めた日に電気の使用量が増えても、増えた分すべてがエアコンによるものとは限りません。

比較するときは、天候や在室時間、ほかの家電の使い方が近い日を選びます。「暖房を使った時間/室温/その日のkWh」を並べておくと、寒さを我慢せずに見直せる部分が探しやすくなります。

エアコン暖房の使い始めでよくある質問

外気温が15℃なら、暖房をつけた方がよいですか?

外気温15℃だけでは決められません。部屋が冷えている、座っていると寒いといった場合は使い、暖房なしでも十分暖かいなら、その時点では必要ありません。

同じ日でも、朝の寝室と日中のリビングでは判断が変わります。実際に使う部屋で室温を確認してください。

暖房にしたのに、すぐ風が出ないのは故障ですか?

暖房開始時は、冷たい風を出さないよう、温風の準備ができるまで送風を待つ機種があります。また、寒い時期は室外機の霜取りに伴い、一時的に暖房が止まる場合もあります。

短時間風が出ないだけで故障と決めず、表示と説明書を確認します。案内された時間を過ぎても暖まらない、エラーが出る、異臭や異常音がある場合は、メーカーへ相談してください。

朝だけ暖房を使うと、電気代が高くなりますか?

立ち上がりに電力を使うからといって、一日中運転するより必ず高くなるわけではありません。朝だけ必要なら、その時間に使い、停止後も快適に過ごせるかを見ます。

数分ごとの入り切りを繰り返す使い方と、日中の長い不在時間に止める使い方は、分けて考えましょう。

寝るときは暖房を切った方がよいですか?

停止後の寝室の冷え方と、家族の状態によります。暖房を切ると室温が大きく下がる部屋では、就寝中も必要な暖かさを保つ使い方を検討してください。

就寝前の室温だけでなく、起床時も確認します。タイマーや就寝用の運転機能を使う場合は、その機種がどのように温度を調節するかを説明書で確かめましょう。

暖房は何月まで使えばよいですか?

使い終わりも月ではなく、暖房を止めた状態の室温と寒さで判断します。春になっても朝晩が冷えるなら、その時間だけ使って構いません。

日中に暖かくなった日でも、翌朝まで暖かいとは限りません。数日間の室温を見ながら、必要な時間を減らしていきましょう。

まとめ|朝の室温を見て、必要な時間から暖房を始める

エアコン暖房の使い始めは、月や外気温だけでは決められません。朝晩に家族が過ごす場所を測り、寒さが続くなら使い始めましょう。

運転を始めたら、設定温度だけでなく足元の暖かさも確認します。風向・風量と窓まわりを整えたうえで、寒ければ無理せず温度を調整してください。

まずは明日の朝、いつも座る場所に温度計を置き、暖房を使う前後の室温を見比べてみましょう。暖まるまでの時間が分かれば、タイマーの時刻も、必要な運転時間も決めやすくなります。

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LifeXrees編集部

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