※本記事は2026年8月時点で確認できる公益社団法人日本しろあり対策協会、国土交通省などの情報をもとに、新築住宅のシロアリ対策について整理しています。実際の保証期間やメンテナンス方法は、使用薬剤、防蟻工法、ハウスメーカー・施工会社の保証条件によって異なります。
「新築のときにシロアリ対策をしているから、10年くらいは何もしなくて大丈夫だと思っていた」
「築5年になってハウスメーカーから防蟻再施工をすすめられた。本当に今やる必要がある?」
「家には10年保証があるのに、なぜシロアリ保証だけ5年で切れるの?」
新築から5年前後になると、このような疑問が出てきます。
結論から言うと、新築時に一般的な薬剤によるシロアリ防除をしている場合、5年は防蟻対策を見直す重要な節目です。
ただし、築5年を迎えたその日に薬剤の効果が突然ゼロになったり、すぐシロアリが侵入したりするわけではありません。
また、住宅によっては薬剤散布以外の防蟻システムが使われているため、すべての新築住宅で「5年になったら同じ工事をする」という考え方も正確ではありません。
築5年を迎えたら、まず新築時の防蟻工法・保証期間・施工記録・現在の床下状態を確認し、その結果をもとに次の予防を考えるのが現実的です。
結論|新築のシロアリ対策は「築5年で一度確認」が基本
| 住宅の状況 | まずすること |
|---|---|
| 新築1~4年 | 保証期間と施工内容を把握し、羽アリ・漏水などの異常を見る |
| 築5年前後 | 防蟻保証・施工記録・床下を確認し、再施工を検討 |
| 築6~9年で未再施工 | 新築時の薬剤効果が続いていると決めつけず、一度床下を確認 |
| 築10年以上で未再施工 | 再施工を申し込む前に、被害・蟻道・水漏れの有無を点検 |
| 羽アリ・蟻道を発見 | 築年数や保証期間に関係なく早めに詳しく調べる |
| 薬剤以外の防蟻工法 | メーカー・ハウスメーカー指定のメンテナンス方法を確認 |
特に覚えておきたいのは、「築5年=必ずその場で再施工契約」ではないことです。
5年は、今までの防蟻対策がどうなっているのかを確認し、次の5年をどう守るか判断するタイミングと考えると分かりやすいでしょう。
なぜ新築のシロアリ防除は5年が目安なの?
「5年」という数字は、シロアリ業者やハウスメーカーが営業の都合だけで決めているわけではありません。
日本しろあり対策協会では、シロアリ防除施工を行った建物について、維持管理上5年を目途とした再処理を基本的な考え方としています。
同協会のQ&Aでも、薬剤の有効期間は5年であり、5年を過ぎたからといってすぐ被害が出るわけではないものの、確実な予防を続けるためには再施工をすすめると説明しています。
5年後に突然「無防備」になるわけではない
ここは誤解しやすいところです。
築5年0か月と築5年1か月の間に、住宅の状態が急に変わるわけではありません。
5年は薬剤による予防効果を維持するために設けられた管理上の目安です。
そのため、
「5年を1日でも過ぎたら危険」
という説明も、
「新築時に薬剤を撒いたから10年、20年放置しても大丈夫」
という考え方も、どちらも極端です。
築5年前後で一度状態を確認し、一般的な薬剤施工で予防効果を維持したいなら再施工を検討する、というのが現実的です。
新築住宅はすべて同じシロアリ処理をしているわけではない
築5年になったとき、最初に確認したいのは「再施工料金」ではありません。
そもそも自宅が新築時にどんなシロアリ対策をしているのかです。
新築住宅では、たとえば次のような防蟻方法があります。
- 現場で木材へ薬剤を塗布・吹き付けする
- 床下の土壌面へ薬剤を処理する
- 工場で防腐・防蟻処理された木材を使う
- 防蟻シートや物理的な防蟻材料を使う
- 薬剤を再施工するための専用システムを採用する
- ベイト工法で継続管理する
- ハウスメーカー独自の防蟻工法を採用する
採用されている工法が違えば、点検方法やメンテナンス周期も変わります。
「築5年だから床下へ薬剤を再散布してください」と決める前に、自宅の仕様を確認することが先です。
築5年になったら最初に確認したい5つのこと
1.防蟻保証書の期限
まず、新築時にもらった住宅関係書類から「防蟻保証書」「シロアリ保証書」などを探してみましょう。
確認したいのは、
- 施工年月日
- 保証開始日
- 保証終了日
- 施工会社
- 使用した薬剤・工法
- 保証対象となるシロアリ
- 保証期間中の再施工条件
- 建物修復保証の有無
- 保証対象外になる条件
です。
同じ「5年保証」でも、シロアリが発生した場合に無料で再施工するだけなのか、建物修復まで一定条件で含むのかは会社によって違います。
2.新築時の防蟻施工記録
保証書と一緒に、施工証明書や防蟻処理の記録が残っていないか確認します。
重要なのは「シロアリ対策済み」という一言ではありません。
どの場所を、何の薬剤・工法で処理したのかが分かる資料があると、その後の再施工を判断しやすくなります。
ハウスメーカーに書類が残っている場合もあるため、手元になければ問い合わせてみてもよいでしょう。
3.ハウスメーカーの5年点検・保証延長条件
ハウスメーカーによっては、定期点検と防蟻再施工を組み合わせて保証を延長する制度があります。
ここでは、
- 5年点検を受けるだけで保証が続くのか
- 防蟻再施工が保証延長の条件なのか
- 指定会社以外で施工すると保証へ影響するのか
- 再施工後の保証期間は何年なのか
を確認してください。
「ハウスメーカーから案内が来たから、その工事しか選択肢がない」とは限りませんが、独自保証との関係は確認してから他社施工を検討した方が安心です。
4.現在の床下状態
保証書の期限と同じくらい重要なのが、5年間で床下に変化がなかったかです。
点検では、
- 蟻道
- 木材の食害
- 水漏れ
- 木材腐朽
- 配管周辺
- 断熱材の落下
- 基礎の大きなひび割れ
- 玄関・浴室周辺
などを確認します。
新築時には乾いていた床下でも、築3年目に配管漏水が起きていれば、現在の環境は新築当初と同じではありません。
5.新築後に建物や外構を変えていないか
5年間の間に、
- ウッドデッキを作った
- 増築した
- 浴室をリフォームした
- 給排水設備を交換した
- 庭を盛土した
- 外構工事で建物周辺の高さが変わった
- 床下で水漏れが起きた
などがあれば、新築時とは侵入条件が変わっている可能性があります。
点検時には「新築から何年経ったか」だけではなく、こうした変更履歴も伝えておきましょう。
新築の「10年保証」とシロアリの「5年保証」は別
新築住宅で特に混同されやすいのが保証期間です。
「新築だから10年間保証されている」と聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、新築住宅に関する法律上の10年間の責任と、シロアリ防除会社などが付ける防蟻保証は同じ制度ではありません。
国土交通省によると、新築住宅の10年間の瑕疵担保責任で対象となるのは、基本的に構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分です。
| 保証・責任 | 主な内容 |
|---|---|
| 新築住宅の法定10年責任 | 構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分の瑕疵 |
| シロアリ防蟻保証 | 防蟻施工会社・ハウスメーカー等が定める条件に基づく |
そのため、
「新築住宅の10年保証が残っている=シロアリ予防も10年間有効」
とは限りません。
シロアリ被害の原因に施工上の瑕疵などが関係している場合は個別の判断になりますが、防蟻保証の期間については保証書・保証約款を別に確認する必要があります。
ハウスメーカーから築5年で再施工をすすめられたら?
一般的な薬剤施工なら、築5年前後に再処理を提案されること自体は不自然ではありません。
ただし、その場ですぐ契約する必要もありません。
まず次の順番で確認してみましょう。
- 新築時の防蟻工法を確認する
- 現在の保証期限を確認する
- 床下点検を受ける
- 点検写真を見る
- 再施工する範囲を確認する
- 使用する薬剤・工法を聞く
- 再施工後の保証内容を確認する
- 金額に納得できなければ比較する
「保証が今月切れるので今日契約しないと危険です」と急かされた場合でも、築5年を過ぎた翌日に突然被害が始まるわけではありません。
現在の住宅状態を確認したうえで判断しましょう。
築5年点検では床下写真を残しておく
5年点検を受けるなら、結果を口頭だけで聞いて終わらせないことをおすすめします。
可能であれば、
- 基礎
- 土台
- 床束
- 配管貫通部
- 玄関周辺
- 浴室・洗面所下
などの写真を残してもらいましょう。
築5年で異常がなくても、その写真があれば築10年の点検時に比較できます。
「シロアリがいなかった」という結果だけでなく、「その時点の床下状態を記録する」ことにも5年点検の意味があります。
築5年を過ぎてしまった|6年・7年でも今から確認すればいい
「保証が5年だったのに、気づいたら築7年になっていた」という家庭もあります。
この場合も、必要以上に焦る必要はありません。
5年を過ぎた瞬間にシロアリ被害が始まるわけではありません。
ただし、一般的な薬剤施工であれば、新築時と同じ予防効果が続いていると決めつけるのも避けたいところです。
築6年・7年で気づいた場合は、
保証書を確認 → 床下点検 → 被害がなければ予防再施工を検討
という流れで十分です。
蟻道や木材被害が確認された場合は、「予防」ではなく被害状況に応じた駆除を検討します。
築10年まで新築時のシロアリ処理だけだった場合
築10年だからといって、シロアリ被害が必ずあるわけではありません。
一方、新築時に一般的な薬剤防除をしただけで、その後一度も再施工や床下点検をしていないなら、そろそろ一度詳しく確認したい時期です。
この場合も、いきなり「10年経ったので全面再施工してください」と依頼するより、先に床下を確認します。
築10年前後で特に見たい場所
- 玄関・勝手口
- 浴室周辺
- 洗面所
- キッチン
- トイレ周辺
- 給排水管の貫通部
- ウッドデッキとの接続部分
- 増築部分との境界
- 過去に漏水・雨漏りした場所
築10年になると、シロアリそのものだけでなく、給排水設備や木材、断熱材など新築時から変化している部分も増えてきます。
防蟻点検を住宅全体の床下チェックとして利用するのも一つの方法です。
ベタ基礎の新築なら5年後のシロアリ対策は不要?
ベタ基礎は、地面が露出した床下などに比べてシロアリ対策上有利な構造です。
ただし、ベタ基礎だからシロアリの侵入経路が完全になくなるわけではありません。
住宅では、
- 基礎の打ち継ぎ
- 給排水管の貫通部
- 玄関・勝手口
- 基礎に生じた隙間
- 外断熱材などの周辺
が確認ポイントになります。
つまり、シロアリが健全なコンクリートを次々食べながら侵入するというより、実際の建物にある隙間や取り合い部分を利用していないかを見ることが大切です。
「ベタ基礎だから点検不要」と決めるのではなく、新築時の防蟻仕様と床下状態を確認しましょう。
ヒノキの新築住宅なら防蟻再施工はいらない?
ヒノキやヒバなどは、一般的にシロアリへ比較的強い樹種として知られています。
しかし、住宅全体がヒノキの心材だけで作られているわけではありません。
床組、下地材、合板など別の木質材料が使われていることもあります。
また、シロアリの侵入リスクは樹種だけではなく、床下の水分や住宅構造、土壌との位置関係にも左右されます。
「ヒノキだから永久に防蟻不要」ではなく、住宅全体で判断することが重要です。
5年を待たずに確認したいシロアリのサイン
築3年・4年でも、次のような状態があれば5年保証の終了まで待つ必要はありません。
- 室内から大量の羽アリが出た
- 基礎に土の筋ができている
- 床が以前より沈む
- 玄関框や木枠が不自然に傷んでいる
- 床下で水漏れが起きた
- 浴室・洗面周辺が長期間湿っている
- ウッドデッキが腐っている
基礎にできる「土の線」は蟻道の可能性
地中から侵入するシロアリは、移動するときに土などを使って「蟻道」と呼ばれる通路を作ることがあります。
基礎表面に、地面から上へ伸びる土の筋のようなものを見つけたら、すぐ壊す前に写真を撮っておきましょう。
似たものもあるため、見ただけでシロアリと断定する必要はありませんが、点検時の重要な情報になります。
自分で確認できることはある?
専門業者でなくても、普段から確認できることはあります。
住宅書類を確認する
最も簡単なのが、保証書と施工証明書を確認することです。
「何年保証だったか分からない」という状態をなくすだけでも、次のメンテナンス時期を判断しやすくなります。
基礎の外周を一周する
蟻道、大きな亀裂、建物沿いに放置された木材などを確認します。
水漏れを確認する
キッチン、洗面台、トイレ、給湯設備などで水漏れがないか確認してください。
床下の湿気を増やす原因があれば、薬剤施工より先に漏水修理が必要になる場合があります。
床下点検口から見える範囲を見る
床下収納などに点検口があれば、ライトを使って安全に見える範囲を確認できます。
水たまりや明らかな木材劣化がないかを見るだけでも意味があります。
狭い床下へ慣れていない人が無理に入る必要はありません。
市販薬剤を自分で撒けば5年保証を延長できる?
市販のシロアリ薬剤を住宅の一部へ使用したからといって、ハウスメーカーや防蟻会社の保証期間が自動的に延びるわけではありません。
また、新築時の防蟻施工と同じ効果が得られたとも限りません。
住宅全体の防蟻では、木部だけではなく、土壌、配管周辺、玄関、浴室など建物構造に応じた処理が必要になることがあります。
DIYで現実的に行いやすいのは、
- 建物沿いへ木材を放置しない
- 漏水を修理する
- 基礎の蟻道を確認する
- 春~夏に羽アリを確認する
- 保証期限を管理する
といった日常管理です。
再施工を依頼するときに確認したいこと
築5年で再施工を依頼する場合は、価格だけで決める必要はありません。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 施工面積 | 何㎡・何坪を処理するか |
| 施工箇所 | 木部・土壌・玄関・浴室など |
| 使用薬剤・工法 | 何をどのように施工するか |
| 現在の被害 | 予防なのか駆除なのか |
| 保証期間 | 再施工後何年間か |
| 保証内容 | 再発時の再施工・修復保証など |
| 追加料金 | どんな場合に増えるのか |
| 床下写真 | 施工が必要な理由を確認できるか |
「5年だから施工してください」という説明だけではなく、なぜ今この家に、この施工が必要なのかまで説明してもらいましょう。
築5年のシロアリ再施工費用はどれくらい?
再施工料金は、ハウスメーカーや業者、床下面積、工法によって変わります。
また、再施工だから必ず初回より安くなるとは限りません。
床下全体に再び木部・土壌処理をする場合、作業範囲は大きく変わらないためです。
金額について詳しく知りたい場合は、LifeXreesの「シロアリ防除の費用はいくら?戸建ての予防・駆除・再施工の料金と見積もりの見方」もあわせて確認してください。
こちらの記事では、施工面積、玄関・浴室、床下条件、薬剤施工・ベイト工法など、料金差が生まれる理由を詳しく整理しています。
新築5年後のシロアリ対策についてよくある質問
Q. 新築時のシロアリ防除は何年持ちますか?
一般的な薬剤によるシロアリ防除では、5年が一つの目安です。5年を過ぎた瞬間に被害が発生するわけではありませんが、予防効果を継続したい場合は、築5年前後に点検と再施工を検討します。
Q. 築5年なら必ず再施工しなければいけませんか?
法律で一般住宅に一律の再施工が義務付けられているわけではありません。ただし、一般的な薬剤施工では5年が再処理の目安です。まず新築時の工法・保証・現在の床下状態を確認してください。
Q. 5年保証が切れて半年経ちました。危険ですか?
5年を超えた直後に突然シロアリ被害が始まるわけではありません。慌てて契約する必要はありませんが、一般的な薬剤施工なら一度床下を確認し、今後の予防を検討する時期です。
Q. 新築住宅の10年保証があるのに、なぜシロアリは5年ですか?
新築住宅の法定10年責任と、防蟻施工会社などが設定するシロアリ保証は別の制度だからです。法定10年責任は主に構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵が対象です。
Q. ハウスメーカー以外で再施工しても大丈夫ですか?
施工自体は他社へ依頼できる場合がありますが、ハウスメーカー独自の保証延長条件へ影響する可能性があります。先に保証約款とメンテナンス条件を確認してください。
Q. ベタ基礎なら再施工しなくても大丈夫ですか?
ベタ基礎は防蟻上有利ですが、配管貫通部、打ち継ぎ部、玄関周辺など侵入経路となり得る部分があります。ベタ基礎だけを理由に点検不要とは判断しない方がよいでしょう。
Q. 築7年まで何もしていません。今からでも遅くないですか?
遅くありません。まず新築時の施工履歴を確認し、床下点検を行います。被害がなければ予防再施工、被害があれば必要な駆除を検討できます。
Q. 築10年まで一度も再施工していません。どうすればいいですか?
いきなり薬剤施工を申し込むのではなく、まず床下状態を確認してください。蟻道、木材被害、水漏れなどがないかを調べ、その結果に応じて予防または駆除を判断します。
まとめ|築5年は「再施工の期限」ではなく、新築時の防蟻対策を見直す節目
新築時にシロアリ対策をしていても、一般的な薬剤による予防効果が永久に続くわけではありません。
一般的な薬剤施工では、5年が防蟻対策を見直す一つの節目です。
ただし、築5年になったからといって、内容を確認せず機械的に再施工を契約する必要はありません。
まず、
防蟻保証書を見る → 新築時の工法を確認する → 床下を点検する → 必要な再施工と保証条件を比較する。
この順番で考えると判断しやすくなります。
また、「新築住宅には10年保証がある」という話と、シロアリの防蟻保証は別です。
築5年はシロアリだけを見る時期ではなく、配管からの水漏れ、木材の状態、基礎、断熱材など、新築から5年間で床下に何か変化が起きていないか確認する住宅メンテナンスの節目として活用するとよいでしょう。
築6年・7年になってから気づいても、すぐ手遅れになるわけではありません。
今の住宅状態を確認し、必要な対策だけを選ぶことが大切です。




